2011年10月4日火曜日

読了本(2011.7~2011.9)



意外にも(?)、SBのことよりも話題になってるこの読了本記。

スクラッパーは忙しい中、時間を割いてクロップしているというのに、私はその時間を全て読書に費やしているので全くクロップはしていません。
「どうしてもクロップしたくてはじめたら、寝るのを忘れてこんな時間!」なんてよく聞くけれど、私の場合は「読み始めたミステリーのトリックがわかるまで読み終えないと眠れない!キャーキャー」なのです。

と、どうでもいい違いはおいといて、7月から9月のレビューを。

あ、写真はいつも行く図書館でした。

前回から、★5個でお勧め度をつけていたのだけど、どう考えても微妙な「★★★よりな★★★★」と「★★★★よりな★★★」の区別(この表記がすでにわけわからん)がつかないので、0.5ポイントを☆にさせてもらいます。
例)3.5ポイント=★★★☆




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慈しむ男 荒井曜 ★★★☆
(ゴールデン・エレファント大賞受賞作。ものすごいスケールで始まった序盤だったし、主人公の慈男は残忍さをアピールしていたけれど、沸点に至らず終わった感あり。)


下町ロケット 池井戸潤 ★★★★
2011年、直木賞受賞作。中小企業の逆襲。これを男のロマンと言うのか・・・。前半はロケット開発の夢とスリリングな公判劇。後半は主人公の夢と現実との葛藤の話。「がんばれ、町工場!」って感じ。)


ルームメイト 今邑 彩 ★★★
(多重人格の話しとしてありがち)


アジアンタムブルー 大崎善生 ★★★★
(決して嫌いじゃない暗さ。これぐらい繊細な男の人と話してみたい。)


食堂かたつむり 小川糸 ★★★
悪くないんだけど、絶賛されるほどのものでもなかった。大人のおとぎ話みたいな展開。)


庭の桜、隣の犬 角田光代 ★★★
(江國さんの本を読んでると錯覚するような本。)


天使の眠り 岸田るり子 ★★☆
(最後で台無し。帯、よく書きすぎ。)


親不孝通りディテクティブ 北森鴻 ★★★☆
(なびぃさんご推薦。短編連作。福岡が舞台なのだけど、ものすごい博多弁)


花の下にて春死なむ 北森鴻 ★★★★
連作短編。短いミステリーって物足りないことが多いのだけど、これは最後までハラハラしながら、スカッと終わる。)


エンキョリレンアイ 小手毬るい ★★★☆
(軽い読み物。20代で読んだらもっと感動したかも知れんが、アラフォー女子には夢物語。)


レンアイケッコン 小手毬るい ★★★☆
(恋愛3部作最終章。話の流れはありがちだけど、読みやすく女子力があがりそう。)


ばらばら死体の夜 桜庭一樹 ★★★☆
(良くはないけど、悪くもないんだよなーーー。なのに評判悪いよなーーーー。)

アントキノイノチ さだまさし ★★★★☆
(人の命の重さを考える1冊。「遺品整理業」のところどころグロイところがあるのに、話全体としてすごく爽やかにしているさだまさしの素晴らしさよ。無理に泣かせようとしていないところもよい。)

身の上話 佐藤正午 ★★★☆
(話の流れが次へ次へと興味をそそる。2億円の宝くじが当たって人間不信に陥る主人公。私もそうなってみたい。)


希望ヶ丘の人びと(上)(下) 重松清 ★★★
(前向き)


きみ去りしのち 重松清 ★★★
(2回目。子供が亡くなった後の喪失感を埋める主人公。皆が傷つき、立ち直れず。途中で読むのをやめると絶望的な気持ちになるので、希望を見出したくて最後まで読む。)


ビタミンF 重松清 ★★★
(中年男子が読む本)


アンダスタンド・メイビ(上)(下) 島本理生 ★★★★
直木賞候補作。上巻を読み始めたときは「あ、いつもの島本理生だな」といや~な気持ちが多少しつつ、主人公のくら~い独り言に付き合う。下巻になってがぜん面白く、上巻のいろんなことが伏線になって進んでいく。これは、島本理生の№1だと思う。)


天使がいた三十日 新堂冬樹 ★★★
(犬好き必読。私はこんな話で泣かない冷たい女)


本日は大安なり 辻村深月 ★★★★☆
大安吉日の結婚式場での群像劇。三谷幸喜のドラマのようだ。)


オーダーメイド殺人クラブ 辻村深月 ★★★☆
(直木賞候補作。自分の子供がこんな中学生になるなら私が死んだ方がまし。)


神様のカルテ 夏川草介 ★★★★
(映画のキャストを想像しながら読まないように注意する。命をテーマにしながら爽やかな後読感。話題の本はおうおうにしてあまり大したことのない本が多いのだけど、とてもよかった。)


神様のカルテ2 夏川草介 ★★★★
(2は1よりも読みやすさと登場人物一人一人の人間性が丁寧に書かれていてよかった。山に登りたい)


七つの海を照らす星 七河 迦南 ★★★★☆
(鮎川哲也賞受賞。児童養護施設内で起こった「学園七不思議」の短編が最後に大きな物語となって繋がる。中高生が読む軽いミステリーとしても良いかも。)


夜想 貫井徳郎 ★★★★
(やっぱり貫井徳郎はこういうたんたんと進む話に引き込むのがうまいと思う。宗教がらみの話だけど、後読感は悪くない。)


水曜の朝、午前三時 蓮見圭一 ★★★★
(もし、あの時、あの人との人生を選んでいたら…的な話は個人的に好きなのだ)


パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾 ★★★☆
(話のトリックは最初の方で分かってしうのだけど、この本は「ラブストーリーだ」と言う人が多かったので読む。なるほど。)


まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん ★★★★☆
(tsukikoさんご推薦。もっとハードボイルドの読みにくい本かと思っていたけれど、テンポよく、よみやすい。続編も読みたい。)


まほろ駅前番外地 三浦しをん ★★★★☆
(まほろのスピンオフ。星君、いいなぁ。)


私が語り始めた彼は 三浦しをん ★★★☆
(ある大学教授について様々な立場の人が語っていく短編連作。最初の奥さんの時には読み始めたのを後悔したけど、だんだんと引き込まれていく。)


カラスの親指 道尾秀介 ★★★★☆
(道尾作品で一番。東野圭吾のようなミステリー好きにもお薦め。ストーリに騙されないように気をつけたのに、最後の逆転劇が!タイトルの意味も読み終えた後グッとくる。映画化されるらしいのでその前にぜひ書籍で。)


心はあなたのもとに 村上龍 ★★★☆
(良いんだか悪いんだかわからない本。文字が多く、長いのだけど、主人公の男に1mmの共感も持てずに話が進む。そのまわりを囲む女たちは寂しさと依存に満ちていた。)


ぬるい毒 本谷有希子 ★★★☆
(ほんとに「ぬるく」て嫌な気持ちになる恋愛もの。芥川賞ノミネート作。)


ぼぎちん バブル純愛物語 横森理香 ★★★☆
(文化庁主催、現代日本文学翻訳作品に選出という、たいそうな冠がついているが読みやすい話。バブルは学生時代だったので恩恵を受けていないのだけど、こんな人が多かっただろうなあ~と思う。)


センチメンタル急行 リンダブックス ★★★★
短編って気持ちの切り替えが難しいのであまり得意じゃない。列車にまつわる、ちょっと感動のエピソード。知らない作家さんばかりだけど、上質の話が多かった。特に「海のさきに」がよかった。)


最後の一日 リンダブックス ★★★
(これは好きなのと好きじゃないのが極端で、総評としてまぁまぁ。自分にとって最後の1日、何をするかな・・・。)


造花の密 連城三紀彦 ★★★★
(女性が主人公の誘拐ミステリー。序盤はすごく面白かったけど、最後はあってもなくてもよかったような、疲れの残る展開。wowowでドラマ化。こちらは書籍と視点がちがうみたい。)


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いや~、読んだ、読んだ。全部で39冊!!
やはり、夏休みは子供と一緒に図書館に行く頻度が上がるので、自然と読むペースも上がっていました。


とはいえ、今回は活字数にすれば前回よりも少ないかも・・・と、思うほど軽い読み物が多かった。


今回は本年度の直木賞(下町ロケット)とその候補作(アンダスタンド・メイビー、オーダーメイド殺人クラブ)を読みました。(残り候補作2作品は次回持ち越し)
やっぱり「下町ロケット」の受賞が妥当なのかなと思わせる感あり。


道尾秀介はこれまでにたくさん読んだけど、あまり評価の高くない「カラスの親指」が私の中では一番好きだった。「向日葵の咲かない夏」で道尾作品が嫌いな方にも(私もあれは大嫌い)是非、読んでほしいなぁ。映画化の話も進んでいるみたいだけど、原作が良いわ。


そしてtsukikoさんご推薦だった「まほろ」シリーズのファンにすっかりなってしまいました。
映画も見ようと思っております。


さてさて、それでは次回もお楽しみに。







6 件のコメント:

  1. ひそかにこちらもファンです。暇つぶしに読み始め、最後まで読まずに寝られず暇どころか余計に忙しくなるタイプです。

    子供を産んでからは重いものが読めなくなり、もっぱら殺人事件ばかりを解決すべくな読書パターンですけど。

    本屋さんに出かけたくなりますー。また楽しみにしてます♪

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  2. りょうママ2011年10月5日 8:50

    実は私もファンのひとりです。
    スピカさんの☆の数を参考にさせてもらい、
    速攻図書館に予約。
    ただいま東野圭吾617番目待ちです(^^;;

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  3. :::kangaさん:::

    「ひそかに」なんて言わず、堂々と公言してください(´艸`o)゚ムフフ

    私も子供を産んでからしばらく全く本から遠ざかっていた時期があります。雑誌だけを月に10冊使く購読していたり…(苦笑)

    娘が小学生になり自由な時間が増えたのも読書量が増えた一因かも。

    それから、図書館で借りると「2週間以内に返さなければいけない」という使命感で無理やり読んだりしています。

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  4. :::りょうママさん:::

    >ただいま東野圭吾617番目待ちです(^^;;

    えぇ~~~!やっぱりそんなもんですよね。
    こちらの田舎の図書館でさえ300人待ちはザラです。
    それで待ちきれなくて買っちゃうんですよね~。
    湊かなえや宮部みゆきも待ちますよ。

    それより驚いたのが、私的には全く知らない作家さんを先日予約したのですが200名待ちだったことです。

    いや~、本の世界は奥深いです。

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  5. とんちゃん2011年10月9日 6:24

    このコーナー好きです。
    今、東野圭吾の「夜明けの街で」を読んでいます。
    読み終わったら是非「パラレル・・・」読みたいです!!!
    時間が欲しい!!!(仕事辞めたらいい???)

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  6. :::とんちゃんさん:::

    >「夜明けの街」
    数年前にさらっと読んだのですが、映画化されると知りもう一度読んでみたい気が・・・・。

    時間、ないですね~。
    私も昨日はOA祭りの作品を作ろうと思ったら、まさかのトラブルでタイムアウト!(泣)

    今朝も5時起きで仕事してます。

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